愛の戦士レインボーマン 第17話「妖術・人間化石!!」

南朝貴族の隠れ里」という設定がスゴい。「昔、帝と帝が戦われたことがあっての、敗れた帝の軍勢は隠れ里に移り住んだのじゃ」と、村の婆さんが得意げに話すのだが、一体、何時代の話をしているのだ?

今回の敵であるヘロデニア3世が繰り出すヘドロンは、まさにヘドロのメタファーであり、また近代文明が生み出した闇の象徴ともなっている。

つまり、本作には「近代文明前 対 近代文明後」の対立構造が描かれているのだ。すなわち、素朴な、物々交換と自給自足だけで成り立っているような村人の生活と、神社の建物の中にM作戦のための贋札をたくさん集めている死ね死ね団の行動との対比である。もっと言えば、「古くからの日本のオリジナルの姿」と、「近代以降、欧米の進出によって近代主義化させられた日本の姿」との対比を象徴していると深読みもできるのではなかろうか。

また、単純に星っ子萌え〜!という話でもある。

最大のカルト作品の一つでありながら、同時に色々な楽しみ方を許容してくれる、懐の深い作品でもある。当時、15〜20%という高視聴率を記録したのは、伊達ではないのだろう。