青いブリンク 第10話「不思議な森・セピア」

不思議な森・セピアに住む悪戯好きのコロボックルという生き物達から、カケル父親と森の女王様を救い出す話。

本作のキーアイテムとなるイノチダケの「どんな病気でも絶対に治す」という効用が第9話の「石の花」と設定がモロカブリだったり(しかも第9話はたった1つ前の話だ!)、襲い掛かってくる巨大な岩ゴーレムがカケルが見せる幻想という設定も、第8話の女王様の話と同じ設定だったり(たった2つ前の話!)設定やシチュエーションの使い回しが目立つようになってきた。まだ10話だというのに、すでにお話の方が行き詰っている感が出てきたなぁ。

コロボックルを鎮圧できたと思ったら、いつの間にか父親がまたグロス皇帝の一味にさらわれてしまったという流れも、ちょっと無理があり過ぎる展開で、上手くなかったな。(あんな森の中、他の人間が潜んでいたら、普通は気付くはずである)

さて、ここらで少し声優について言及しておこう。
主役カケルは野沢雅子野沢雅子は89年の時点で「いわゆるフツーの少年役」を演じるのはすでに珍しくなっていたが、さすがは野沢雅子、さすがの安定感がある。
ブリンク役は当時アイドルだった土家里織が演じている。ブリンクというキャラクターが元々中性的であることもあり、存外悪くない。ただ、ブリンクならば他の誰が演じてもある程度ハマりそうという感じもあって、「名采配!」と思うまでには至らない。
丹波役に小林克也を配したのは面白いし、男くさい丹波を見事に演じている。「名采配!」と呼ぶのは、むしろこっちの方だろう。
ニッチ役の緒方賢一はわざわざ言及するまでもなく、バッチリである。サッチ役の吉村ようの演技を拝めるのは貴重。今頃生きていれば、名バイプレイヤーとしてあちこちのアニメから引っ張りだこだったろうに、急逝が惜しまれる。