愛の若草物語 第43話「大都会ニューヨークへ行こう!ジョオ」

絵を描き始めてから、スイッチが入ってしまって、何を言われても生返事しか返さなくなってしまうエイミーが実にオタク臭くて、親近感を感じてしまったよ。

今回の話は恋話中心。ジョオが人の(メグの)恋愛のことならズケズケ言えるのに、自分のことに関しては完全に朴念仁になってしまうところが可笑しい。むしろ、エイミーの方が恋愛関係の配慮ができていそうで(ローリーの前でジョオにアンソニーの話をすることをためらったりするところなど)、なかなか興味深かった。
また、アンソニーにとっては一大決心であった(アンソニーなりの愛の告白の意味合いもあった)「一緒にニューヨークへ行こう!」との言葉に対して、ジョオがやはり言葉の額面どおりの意味しか受け取れなかったのも、実にジョオらしかった。
(この場面は、アンソニーが「近代意識」を代弁したキャラクターであることを再確認できた場面でもあった)

それにしても、この物語ではカールとメグの恋愛話がちょいちょい出てくるのだけれど、基本的には外野での話題に限定されてしまっており、メグとカールが直接対話する場面の描写はほぼ皆無の状態なので(ジョオがメグに「カールはメグに気がある」ことをちょこちょこ言うくらい)実質的な恋愛話は一切できておらず、結果として非常に退屈なパートに陥ってしまっている。こういったところこそ、もっと原作を切り崩して、現代的にアレンジしていくべき箇所なのに、朴念仁のジョオばかりがリアルでモテて、ジョオが一切それに気づいていない(関心もない)という構造になっている。

脚本も、演出も、まっとうな恋愛をまっとうに描写するのは苦手なのだろうか? こと、恋愛部分に関しては、若草物語はあまりに捌き方が拙いようだ。次回、カール/メグ回りでひと波乱ありそうなので、期待したいところではあるのだが、、、