愛の若草物語 第42話「神様、どうかベスを助けて!」

ベスが猩紅熱にかかる話、オーラス。

(「熱が深夜になるまで下がらなければ、最悪の事態を考えたほうがいい」という医者の発言が事前にあった状態で)その日の深夜、ベスの容態が急変した場面の描写が巧かった。ベスの様子がやけに落ち着いていたのを不思議に感じたジョオが、ベスの額に手を当てる。ジョオは何かを感じ取った様子で、慌ててメグを呼び、メグもジョオの手を当てる。メグもまた、何かを感じ取った様子で、緊迫した面持ちで2人は見つめあう。ジョオが「ハンナなら正確な判断ができる」と言い、やがて呼ばれてきたハンナがベスの手に当てる。その間、バックには緊迫した音楽が流れ続け、ハンナは何回も、額に手をあてるだけではなく、脈をみたり、息の音を聴いたりして、ベスの様子を見る。そして、ほっととした面持ちで「熱が下がりました。もう大丈夫です」と告げるのだ。
この場面での緊張⇒緩和の流れの描写が見事で、引き込まれてしまった。また、本作品では滅多に観られないハンナの乳母としての優秀さが確認できるという点で、ちょっと貴重な場面とも言えるだろう。

ラストで、エイミーが母親に抱きついたところを、階段の上から(ちょっと遠目のカメラで)少し寂しそうにマーサが観ているところを締めにもってくるところも良かったな。