愛の若草物語 第31話「メグはきせかえ人形じゃない!」

メグが、贅沢三昧のモファッド家で、贅沢三昧な暮らしをして、どうにかなってしまいそうなお話。

原作では、メグはもっと調子こいて、自らの虚栄心に流されて、堕落しているところが描かれるのだが、アニメでは「みんなから勝手にいじられて、ちょっと困っている」くらいの描かれ方で、メグが自制心を失っているような雰囲気はなかったなぁ。まぁ、アニメでのメグのキャラ設定であれば、そんな思い切ったはじけ方はできなさそうではあるけど。

みんなから着飾られて、豪奢なドレスを着たメグを見たローリーは、「(そのドレスは)嫌いです。僕は、バカみたいに騒ぎ立てたり、孔雀のように飾り立てるのは、好きじゃないんです」と言う。その言葉に、最初は腹を立てたメグであったが、すぐに、自分がバカなことをしているのでは、と思い出すようになる。その後、ローリーがすぐに、メグにフォローに入り、「僕はメグと踊るために来たんですよ。そのドレスは好きじゃないけど、メグ、あなたは本当にきれいですよ、確かに」と、素敵なセリフを吐く。

実は、せっかく舞踏会に出ているのだから、綺麗な服を着ることについて、お咎めや指摘を受ける謂れは一切ない。「清貧」を美徳とされた時代背景もあって、原作ではあのような物語になったのであろうが、今の時代の感覚では、「短時間ならハメを外してもいいじゃない?」となるところだろう。

原作を、なるべく忠実な形で再現するためには、ローリーがすぐにフォローに入ったことや、メグがどっぷり豪奢生活に嵌っていた感じではなかったところなどが、適切な「落としどころ」であったように思える。ローリーはここでも気を回して、マーチ家には単に「メグが綺麗だった」ということを伝えるに留まっている。このあたりのローリーの気の回し方も、非常に現代的である。