青いブリンク 第20話「動物王国・ハービーグリーン」

ハービーグリーンという街ではチキチキというペットが大事にされており、町中のあらゆる人がチキチキを飼っていた。街を挙げての可愛がり方は常軌を逸しており、チキチキが苦手とする犬は見つけられ次第保健所に連れて行かれたり、街中のチキチキ以外のペットは街の外にうち捨てられてしまっている状況だった。そして、チキチキ達には大事な秘密が隠されていた。彼らは、グロス皇帝の部下である生物学者が街を支配するために持ち込んだ生物兵器であり、夜になると凶暴な姿に変身して、木の皮を全部食い尽くしてしまうのだった。生物学者は凶暴化した大量のチキチキに対して、今度は街の野菜を食べつくすよう命じる。その時、生物学者は陰で話を聞いていたカケルの姿に気付いてしまった。カケルは、「自分ひとりで何でもできる」とつまらない意地を張り、一人で行動していたのだった。。。といったのが最初のあらすじ。

チキチキの可愛らしい姿から、凶暴な姿に変化するところといい、分かりやすく映画「グレムリン」からのイタダキである。

また、本話では動物愛護による弊害も鋭く指摘している。ある動物を偏愛することが、結果として他の動物たちや自然環境を破壊することに繋がっている危険性を警告しているのだ。チキチキが夜中になって木の皮を食べつくすという話を知って、私はすぐに奈良の鹿による害を思い出した。

http://www.nara-wu.ac.jp/gp2007/gakusei/tenkai/2008/sika_kawa/index.html

後は、他の凶暴な動物を別のカプセルに入れ、チキチキをもう一方のカプセルに入れることで、チキチキを凶暴な生物に変化させてしまうという不思議な機械の設定も面白い。これも、言うまでもなく、映画「ザ・フライ」からのイタダキであろう。

今回も設定がしっかりしていて面白かった。チキチキという愛くるしい姿をしているが、繁殖力が高い動物を街に持ち込み、それに凶暴性を加えることで街を乗っ取ってしまうというグロス皇帝の戦略も理に適っている。闇の箱舟が出てきたあたりから「当たり回」が出てくる確率が高まってきているようだ。是非とも、このままの調子で進んでいってもらいたい。