青いブリンク 第12話「パープルタウンのハート泥棒」

カケル一同は、伝説のコソ泥スネールがいるという荒くれ者ばかりがいる街に行ってみたら、何と様子が異なり、善良な人間しか住んでいない様子だった。それは、テンと、テンの飼っている不思議な獣たちが悪人を見つけ、その不思議な獣に悪い心を吸わせているからであった。やがて、悪い心を吸い過ぎてしまった獣は、巨大化・凶暴化し、街を襲い始める―という内容。

相変わらず設定は割と面白いけれど、1話完結というスタイルもあり、全体的にこじんまりとまとまってしまい、物語として面白くなっていかない。
「凶暴化しか獣に全部、悪い心を吐き出させる」という作戦にしたって、カケルが用意した大袋にピンポイントで狙っているのかというくらいに、獣が吐いたハートが全て大袋に面白いように吸い込まれていくという展開になっていて、まぁ、盛り上がりに欠けるったらない。

テン役として、井上遥の少年声が聴けた、というだけが、ええ歳を過ぎてしまった人間としては唯一の見所だったかな。後、初めてニッチとサッチがカケル仲間を(少しだけ)裏切るような行動を取って、ちょっとへー、と思ったな。

子供が観るという観点で言えば、今回もきちんと教訓を入れてきている。テンが不思議な獣を道具のように使っていたけれど、それは正しくなく、テンと獣は同じ家族のように接していかなければいけないよね、という裏テーマがある。また、このことによって、カケルとブリンクの関係性の健全さ(一方的なものではなく、お互いに尊重しあった友情としての関係性であること)を、謳いたいのだろう。

まぁ、それは間違っていない。Wikipediaによると、ブリンクはカケルに毎回勇気を注入しているが、それはただの電流に過ぎず、単なるプラシーボ効果を与えているに過ぎないらしい。つまり、基本的にはカケルは「ブリンクに励まされて」+「基本的には、自分の力で事件を解決している」のである。カケルは、ブリンクの力をフルに使って物事にあたっている訳ではなく、その点でたとえば「ドラえもんのび太」のような関係性とは一線を画すると主張したいのだろう。

ただ、一方で、ブリンクからのムチャ振りにカケルが毎回あたふたする話、という風に見えちゃうのだけれどね(苦笑)。