愛天使伝説ウェディングピーチDX 第3話「再会 〜クリスマスでも戦うわ〜」

OVAシリーズ第3話目。で、ポタモス@三石琴乃が再降臨する回。

また、今回はひなぎく当番回であった。
「お互いに気がありながらも、なかなか素直になれず、すれ違ってしまう2人」が、クリスマスの日に、2人の共通の思い出の場所をきっかけに少しだけ心の距離を近づける話であった。
割とベッタベタな話ではあるが、だからこそ、今回のように下手なひねりを入れずにストレートな演出で見せることが「ウェディングピーチ」という作品では絶対に正解であった。今話がTVシリーズを含めても傑出して面白い話なとして成立できたのは、「ベタベタさ」を貫き通したこそゆえであろう。

ひなぎくポケットベルを使っていること、またゆりが携帯電話を使っていること(但しひなぎくは携帯電話を持っていないこと)の2点が、非常に時代を感じさせる。
OVA制作時は1996年で、まだまだポケベルの隆盛期である。(ちなみに裕木奈江ポケットベルが鳴らなくて」が大ヒットしたのは1993年のこと)一方で、携帯電話の料金が大幅に低下したのが95年で、この頃から少しずつ携帯電話が一般家庭に普及し始める。しかし96年の時点ではまだ爆発的普及に至らず、それには97年の電子メールやショートメッセージサービス機能が内臓された携帯電話が登場するのを待つ必要があった。

つまり、本作品が制作されたのは若者のコミュニケーション手段がポケベルから携帯電話へ移行してゆくちょうど端境期にあたり、だからこそ裕福な家庭に育ったゆりは携帯電話を持っており、ごく普通の庶民的家庭に育ったひなぎくがポケベルを持っているという設定になっているのだろう。

こうやって見ていくと、各キャラクターが持っている小道具に至るまで、きちんと考えられて設定されていることが改めて分かる。湯山邦彦らしい、丁寧な仕事ぶりに改めて感心させられる。

なお、ポケットベルの歴史については以下Wikipediaを参照にした。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%84%A1%E7%B7%9A%E5%91%BC%E3%81%B3%E5%87%BA%E3%81%97