アイス・エイジ2

2006年制作のアメリカ製CGアニメ映画。

4年のインターバルを空けて制作されたアイス・エイジ続編映画。4年間のインターバルが空いた分、CGのクオリティが格段に上がっており、マニーの毛並みの一本一本がくっきり見えるようになっている。(「アイス・エイジ1」では毛並みは大幅に省略された描き方だった)また、CGクオリティが向上した分、アクションシーンの見せ場についても、より込み入った仕掛けが用意されているのも、「続編としての順当なレベルアップ」が図られており、良かった。
(幾重にも岩が重ねられた上を、シド達が今にも落ちそうになっている場面/シドが、何百匹ものナマケモノ仲間と一緒にダンスをする場面/崩れ落ちた岩山の中にエリーが閉じ込められるところ、水位が上昇してエリーが岩山もろとも沈もうとするところをマニーが水の中を潜って助けにいくところ)

また「アイス・エイジ2」が、「アイス・エイジ1」完結の流れを受けた、「キャラクターもの」として成立していたのも嬉しかったな。シドが「ナマケモノの王」として奉られたり、マニーにエリーという恋人ができたり、ディエゴが弱点である水(泳げないこと)を克服したり、それぞれのキャラクターにきちんと「成長」「幸福」の道筋を示してあげているのも、スタッフのキャラクターへの愛情が感じられて、良かった。

最後、フツーならどう考えても「マニーとエリーがマンモスの仲間たちと一緒に旅立たせる」と結末つけるところを、マニー&エリーがシド&ディエゴの元に帰って来てしまうとした流れは、やっぱりちょっと欺瞞っぽく見えてしまったけれど、「キャラもの」として「アイス・エイジ2」を捕らえるならば、このエンディングで正解だったかもしれない。

アイス・エイジ1」同様に、今回も多数の芸能人が声優として参加している。高田純二も、オセロ中島も、マチャミも、みんな達者だったなぁ。だけど意外にもいちばん良かったのは優香だったな。気が強く、優しく、ちょっと抜けているところがあるエリーをイヤミなく、可愛らしく演じていた。

2作目は、既にに完成度が充分高かった1作目を、あらゆる点で順当にレベルアップさせることに成功していて、そこに関心したなぁ。
「これなら1作目の方が良かった」というのはよくある話で、続編を作る際には、スタッフは最新の注意を図って観客からそのセリフが吐き出されるのを回避させる取り組みをするはずである。「アイス・エイジ2」は、見事にその取り組みに成功できている。しかも、「続編では全く異なるアプローチを取る」という「エイリアン2」のようなスタイルではなく、「1作目で魅力となった各要素を、純然にレベルアップさせる」というスタイルで、「アイス・エイジ1」を上回る面白さを実現しているのだ。これはなかなかできそうでできることではなく、たいへん立派だと思う。