藍より青し 第3話 別離〜わかれ〜

薫が花菱家愛人の息子だった事、花菱家の直接の血筋がなかったために花菱家当主が薫に死んだ母親の事を忘れるよう強く命じた事、薫にはそれが許せず、花菱家を出て行ったなど、本話で薫の過去について明らかにされる。
また、桜庭家の令嬢である葵も、桜庭家の跡継ぎとなる相応しい人物を婿に娶ることを運命付けられた窮屈な身分であることが明かされる。これまで葵は、薫がその花婿であると信じて、18年間を花嫁修業に明け暮れてきていた。
葵は最初、薫に花菱家に戻ってきてくれと懇願するが、薫は頑として首を縦に振らず、葵は泣きながら薫に別れを告げる。しかし、その日の晩に葵は薫の家に戻ってきてしまう。そして、薫に告白する。
「葵は、全てを捨ててでも、薫様と一緒にいたい」

ここは、本来であれば序盤のクライマックスとして感動するべき場面であろう。だけれど、どうにも私には「財閥」とか、「世襲」とかいう言葉がピンと来ない。確かに、現時点でも世襲制を取り入れている古い体質の会社はあるだろう。韓国などでは未だに大手企業でも世襲制は常識的らしい。だが、この物語の舞台は日本である。日本で、「財閥」で、「世襲制」って、実際どの程度リアリティのある設定なのだろうか?

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=219875

そうそう、GHQによって戦後すぐに財閥の世襲制は解体されたんじゃなかったっけ? こういった「名家の伝統を重んじる云々」みたいな話って、少女マンガなんかでもよく見られるパターンだと思うのだけれど、ちょっと時代錯誤な感じがして、あまりリアリティが感ぜられないんだよなぁ。

まぁそれはそれとして、葵ちゃんの口から「契りを交わして下さい!」なんて言葉を聴くと、思わず愚息が何かを出してしまいそうになりますよ。リアリティのないシリアス話は措いておいて、次回の「契り」話には思いっきり期待したい。