ああっ女神さまっ 第15話「ああっ女神に心奪われてっ」

ばんぺいくん初登場回。

ばんぺいくんは、初登場時から、ドラえもんの秘密道具レベルでのリアリティを持ったことが明示的なので、前話のように瑣末な部分に違和感を感じたりすむ必要はなく、すんなり観ることができる、、、と思いたかったのだが。

前半で、ばんぺいくんを起動するにあたって、家中の電気を使ってしまったため、家中の電源がオフになってしまい、蛍一が使っていたPCや、ウルドが観ていたTVが観れなくなってしまう、というくだりがある。

でも、もし家中の電気が切れてしまうのなら、そもそもばんぺいくんの起動さえできないはずでは? ばんぺいくんの身体からはコードが接続されており、常に電源の供給がないと動けないタイプのようだし、、、

瑣末な事項にツッコミを入れている訳ではない。技術云々以前の、一般的な常識、作劇の基本に照らし合わせて、物語として成立していない大きなミスが存在しているのが問題なのだ。

多少設定に飛躍があったり、論理的に破綻していた箇所があったとしても、ある程度であれば受け入れ、「物語」として楽しむ術を、私に限らず誰もが持っているだろう。だが、この下りについては、一般的視聴としても看過する訳にはいかないレベルの破綻が認められると言わざるを得ない。それとも、「ばんぺいくん専用の電圧を確保するにあたって、独占的に電圧を利用できるシステムを構築した」などの前提・設定があっただろうか?

物語全体として見ると、枠組みは古典的ながらもそつなくできているし、またラスト(ばんぺいくんのメモリが消去される下り)も、そこそこ感動的な展開となっている。それだけに、こうした瑣末なところでツッコミどころがあまりに多い、というのは惜しいことである。

※追記

スクルドがばんぺいくんの電源を入れるにあたって、家のブレーカーが一瞬映し出されるが、そこで「1つの電源」を覗き、全ての電源が「切」になるという描写がされていた。ということは、やはり「ばんぺいくん専用の電圧を確保するにあたって、独占的に電圧を利用できるシステムを構築した」という設定が背景にあると考えた方が良さそうだ。

でも、よっぽど注意しないと、そんなこと分からないよなぁ。やっぱり、分かりやすい説明が、短い時間であってもいいので、欲しかったところだが。